BUYERS' RECOMMEND|Vol.64:ELIMINATOR
2025.05.29

BUYERS' RECOMMEND | あのバイヤーが推す最旬アイテム
T.T のアノ即完バッグが、別注仕様で25周年を祝う

全国のセレクトショップバイヤーの目利きで選び抜かれたアイテムを、そのバイヤーのリアルなコメントと共に紹介する連載企画「バイヤーズ レコメンド」。今回は今年で25周年を迎えた代官山のセレクトショップ「ELIMINATOR(エリミネイター)」から、周年を祝うにふさわしいアイテムが届いた。

Text Takaaki Miyake

ELIMINATOR

随一のファッションディストリクトとして知られる東京・代官山には、もちろん数多くのセレクトショップが存在する。中でも長きにわたり存在感を発揮してきたELIMINATORだが、その人気は25年という歴史が物語っている。今回はそんなアニバーサリーイヤーを彩る、あの気鋭ブランドとのコラボレーションが登場。

「T.T(ティー・ティー)とのコラボレーションにより、代表作の一つである「NEWSBOY BAG SMALL」のホースレザーバージョンを特別な仕様にアップデートしました。

元々は1930年代のカリフォルニアで、子供達が新聞配達用に使っていたバッグをレファレンスとしているため、仕切りも上蓋もない非常にシンプルな構造のバッグです。

故デザイナーの髙橋大雅が残した“応用考古学”の言葉を頼りに、『100年後の人が、このバッグから想像する過去』をイメージしました。例えばスマホや財布、タブレットやドリンクなどを収納する使い方が挙げられると思います。

そんなバッグを髙橋大雅が生前に交流を深めていた、SAGAN Vienna(サガン・ヴィエンナ)が監修。ポーランド産の馬革を使用しながら、ベジタブルタンニングをイタリアの工場で、縫製はスペインで丁寧に行うこだわりを見せています。

肩への負担を軽減する幅広のショルダーストラップ、広いマチは当時の作りのまま、ストラップの長さはT.Tオリジナルと同様に短く調整。また、古いニュースペーパーバッグに見られる縫製やリベット留めなどの仕様も忠実に再現していて、金属製の付属はあえて錆び止め加工をしていません。経年変化による錆が移染する可能性もありますが、この忠実な再現性をお楽しみください」

本来はオープン仕様の開口部をジップ式に変更し、外側には大型のパッチポケットを追加。他にも内側にボトルポケットやジップポケットをあしらい、より現代的な要素をアップデートした。

まぎれもない本コラボレーションの証として施したのは、ネームパッチ下にある英国と日本の国番号を合わせた“#4481”の数字。これは「英国と日本のカルチャーを繋ぎたい」という想いから、ELIMINATORがオープンした2000年に制作したアイコン的存在。

2023年、京都・祇園の旗艦店「T.T」の2周年を記念して発売されたインラインは、即完売の人気ぶり。今回も数量限定、さらに特別な仕様ということもあって、前回を上回る注目を集めそうだ。

T.T × ELIMINATOR
LEATHER NEWSBOY BAG SPECIAL VERSION ELIMINATOR 25TH ANNIVERSARY PRODUCT LIMITED EDITION ¥143,000

ELIMINATOR
https://www.eliminator.co.jp/
https://www.instagram.com/eliminator_tokyo/

野澤圭介
ELIMINATOR バイヤー / ショップチーフ

老舗古着店バイヤーで経験を積み、2002年からELIMINATORでのキャリアをスタート。過去にはJOHN LAWRENCE SULLIVANでアクセサリーデザインも担当し、自身のブランドとしてKUBRICKを手がけた経歴を持つ。UKファッションはもちろん、ブランドやアイテムの背景にある製作意図だけでなく、音楽やアートなど幅広いカルチャーにも造詣が深い。